「好きだよ、賢木」熱に浮かされたように皆本が呟く。裸に剥かれた身体に皆本が触れる度、必死になって感覚をシャットダウンする。皆本の言葉が耳から入ってくる都度、ごめんな、って心の中で呟いて。皆本の一番は俺じゃない筈なのに、嘘吐かせて苦しませてるんだ、俺は。俺の割れた腹筋なんか撫でたって嬉しくもなんもないだろうに。透視んじまわないように、必死に力を制御すんのは大変だけど、俺の身体に触れてくれることが嬉しくて、俺は自分の感情にに振り回されながら快楽の土坪にはまっていく。俺は好きと言葉にする余裕もなくて、ただひたすらに皆本のくれる愛撫を追い掛けて、熱に浮かされていく。「好きだよ、賢木…」うん、ありがと。でも、ゴメンな。今は何も言えなくて、聞こえないフリをしてキモチイイことだけに身を委ねる。すると、おもむろに俺の手首を掴んだ皆本が、手首に巻き付けたリミッターを無理矢理外した。「ちょっ、何する」「君の考えてることなんてお見通しだ」ぽいっとリミッターをベッドの下へ放り投げてから、皆本は俺の手のひらに大事そうにキスを落とす。こんなふわふわな頭で力のコントロールなんてできるわけがない。冷水を被ったみたいにゾッとして、思わず手を引いて。でも、皆本は離さないとでもいうようにぎゅっと俺を引き寄せた。駄目だ、このままじゃ透視えちまう。何とか少しでも抵抗しようとぎゅっと目を瞑ると、こつん、と額に何かが当たった。恐る恐る薄目を開くと、皆本が困ったような笑顔を浮かべてて。「怖がることなんて何もない。透視てみればいいんだ。」くすり、と笑って俺の頬に触れた皆本は、俺の手を力づくで自分の頬に当ててみせる。ヤバい、と思った時にはもう遅かった。キィン、と力が発動して、皆本の心が明け透けになる。こっちが恥ずかしくなってくるくらいの愛情の波に、顔の熱が上昇していくのがわかって。「もう、いい。充分だ」やめてくれ、と辛うじて掠れた声で呟いた。
あなたは『好きって言って貰える度に、嘘をつかせてごめんなさい、って思ってる』皆賢を幸せにしてあげてください。



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