「葵ちゃん、私たち全員をバベルの医療棟まで運べるかしら。今すぐ。」深い眠りに就いている先生に触れながら、葵ちゃんに声を掛ける。「も、もちろんや!ほんなら行くで!」「わ、私も手伝う!」薫ちゃんが慌てて念動力を発動させて先生の身体をゆっくりと持ち上げた。それに合わせて、私もゆっくりと立ち上がる。「一体何が起きたんだ、紫穂」「…わからない。ちゃんと透視してみないと。でも、先生の身に何かが起こっているのは確実。」こんなにも、深い眠りに就いている先生を見たことがない。まるで、命が失われているみたいな、そんな、深い眠り。一瞬だけゾッとした悪寒が走った我が身を何とか奮い立たせる。「取り敢えず、バベルへ行こう。何かわかるかもしれない。」「ええ。」冷静さを取り戻すために、先生の手をぎゅっと握り締めた。握り返してはくれないその手を包むように、そっともうひとつの手も重ねる。僅かに体温を感じるそれに、少しだけ安心して、葵ちゃんのテレポートに身を委ねた。
夢の中へ。



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