こんなんキュン死するに決まってんじゃん!

「当直明けでしょ?ちゃんと身体休めなさいよ」ぐったりしたまま研究室に戻ると紫穂ちゃんがいて。癒しを得ようと甘えるとピシャリと手を払われた。「ご飯、食べれてないんでしょ?持ってきたから、食べれそうなら食べて」じゃ、私仕事行くから、ととってもつれない態度で部屋から出ていってしまった。口説き倒してやっと彼女になってくれたのはいいけれど、つれない態度は付き合う前と殆ど変わらない。でも、こういう気遣いや優しさを皆本や薫ちゃんたちだけじゃなく、俺にも少し分けてくれるようになっただけ、きっと俺は彼女の心に何か影響を与えられているんだろうとホッとする。彼女の用意してくれた軽食が入っている紙袋をガサガサと覗き込みながら、ふ、とデスクの方に目を遣ると、紫穂の鞄にいつも付けているはずのクマのぬいぐるみが可愛らしくちょこん、と鎮座していて。忘れてったのか?と手に取った途端、強力な思念波が脳に叩き込まれた。『週末に取りに行くからそれまで預かって。週末のお休み空けておかないと許さない』少し頬を染めながら一生懸命にこの思念を残している姿まで透視みとれてしまって、フラフラと力なくソファにへたりこむ。「……これは……アカン」これが噂のデレってやつか。デレ期到来ってやつなのか。当直明けの疲弊した俺には衝撃が強すぎる。「皆本……俺、やっぱり紫穂と付き合えて最高だ……」まるで、最期の言葉のように呟いて、そっと目を閉じ意識を飛ばした。

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